全然レベルが違っていて、すごいところに飛びこんできちゃったなっていう印象でしたね。もちろん、全てが通用しなかったわけではないけど、それまでのコンサドーレのユースチームとは全く違う世界でした。当時は同世代のチームメイトが一人もいなくて、宮澤裕樹さんや藤田征也さん(現湘南ベルマーレ)、西大伍さん(現鹿島アントラーズ)といった先輩によく食事に連れていってもらったのですが、いつもご馳走になって自分で支払った記憶がないくらい(笑)。それにまだ現役だった曽田雄志さんと一緒に過ごすことも多く、練習の合間などにプロとしての考え方を教えてもらえたのもうれしかったです。おかげでプロ選手としての意識が高まり、すごく勉強させてもらいました。
カマタマーレ讃岐は観客動員数が1試合平均約3,000人と少なく、専用グラウンドもなければクラブハウスもない。コンサドーレ札幌とは環境が全く違いました。でも、実際に過ごしてみると環境は関係なくて、ボールとグラウンド、そして仲間がいれば工夫次第でどうにでもなるんですよね。小さい頃に遊んだような発想力を持って取り組むことがいかに大事なのかを学びました。それに尊敬できるたくさんのコーチや選手と知り合えたのも一番の収穫でした。内側にいるとなかなか見えないコンサドーレ札幌の恵まれた環境を改めて知ることができましたし、それを当たり前だと思わず、常に新鮮な気持ちで臨めるようになれたのは移籍したおかげ。本当にいい経験になったと思っています。
一番違うのは文化ですね。具体的に言うと日本では協調性が美徳とされていて、学校でも授業中に静かにしていることが評価されます。でも、海外では自分の意見を持つこと、そしてそれをどんどん発信する人の方が評価されるんですね。サッカーでも日本は消極的と言われますが、そうした積極的な海外との文化の差が出ているのだと感じます。ただ、技術は日本人も高いんです。だから、小学校の時にドイツへ行ったときも今年のオフシーズンにスペインへ行ったときも最初は怪訝な顔をされるけど、一緒にゲームをすると試合後のロッカールームの雰囲気が全く変わる。言葉は通じなくてもボールが共通言語になるんです。海外では堂々とプレイすることの大切さはもちろん、そうした言葉を超えてつながり合える喜びを学ばせてもらったと感じています。